子どもの才能は「成績」では測れない
多くの親は、つい「成績」で子どもの能力を判断してしまいます。しかし学校のテストが測っているのは、主に言語的知能と論理数学的知能という、ごく一部の能力です。世界には、それ以外にも空間・身体運動・音楽・対人・内省・博物といった多様な才能があります。
つまり、「勉強が苦手=才能がない」ではありません。机の上では目立たなくても、絵を描かせたら夢中になる子、体を動かすと生き生きする子、友達の気持ちを察するのが上手な子——それぞれに、テストでは測れない確かな才能があります。まずは「才能は一つの物差しでは測れない」という前提に立つことが、子どもの可能性を広げる第一歩です。
子どもの才能を見つける4つのサイン
子どもの才能は、特別な検査をしなくても、日常の中に必ず現れています。次の4つのサインに注目してみてください。
① 時間を忘れて夢中になること
誰に言われなくても没頭すること。集中して取り組んでいる対象こそ、才能の入り口です。
② 自然と上手にできること
教えていないのに、なぜか人より上手にこなせること。本人にとっては「当たり前」なので、親が気づいて言葉にしてあげることが大切です。
③ 繰り返し選ぶこと
遊びでも本でも、何度も同じジャンルを選ぶ。その傾向には、その子の興味と才能の方向が表れています。
④ 人から感謝・感心されること
友達や家族から「すごいね」「ありがとう」と言われる場面。周囲の反応は、本人が気づきにくい才能を映す鏡です。
8つの知能で子どもの才能を捉える
「夢中になることは分かったけれど、それが何の才能なのか分からない」というとき、軸になるのが多重知能理論(MI理論)です。ハーバード大学のガードナー博士が提唱した考え方で、人の知能を8つの分野で捉えます。
- 言語:話す・読む・書くのが好き/物語をつくる
- 論理数学:なぜ?を追求する/数やパズルが好き
- 空間:絵・ブロック・地図が得意/イメージで捉える
- 音楽:歌・リズム・音に敏感
- 身体運動:体を動かす・手先を使うのが得意
- 対人:友達の気持ちを察する/場をまとめる
- 内省:一人で考える・自分の気持ちに敏感
- 博物:生き物・図鑑・collectionが好き/分類が得意
わが子の「夢中」がどの知能に当てはまるかを考えると、伸ばす方向が見えてきます。各タイプの特徴は「8つの知能タイプ完全ガイド」、理論の全体像は「多重知能理論(MI理論)とは?」で解説しています。
才能を伸ばす親の関わり方
才能は「見つける」だけでなく「育てる」ことができます。次の関わり方を意識してみてください。
- 結果より過程をほめる:「100点すごい」より「ここを工夫したね」と、努力や工夫に注目する
- 多様な体験をさせる:いろいろ試させ、反応を観察する。合わなければ別を試す柔軟さを持つ
- 夢中を邪魔しない:没頭しているときは、できるだけ見守る
- 得意を入り口に苦手も支える:強い知能を使って、苦手分野の学習を助ける
やってはいけないNGな関わり
良かれと思った関わりが、かえって才能の芽を摘んでしまうこともあります。次の点には注意しましょう。
- 他の子と比べる:「お兄ちゃんはできたのに」は自信と意欲を奪います
- 親の理想を押し付ける:親がやらせたいことと、子どもの才能は別物です
- 苦手ばかりに注目する:弱点の矯正に偏ると、強みを伸ばす時間が失われます
- 成果を急ぐ:才能は時間をかけて育つもの。短期の結果で判断しないことが大切です
まずは親自身が「強みを見る目」を持つことが、子どもの才能を伸ばす出発点です。親御さん自身の才能タイプを知ることも、子どもへの理解を深めるヒントになります。子どもへの具体的な関わり方は「子どもの才能を伸ばす親の関わり方」もあわせてどうぞ。