「やりたいことがわからない」は悪いことではない
まず安心してほしいのは、やりたいことが明確な人は決して多数派ではないということです。むしろ、これだけ情報や選択肢があふれる時代に、最初から一つに絞れる方が不自然かもしれません。
そして、やりたいことは「探して見つけるもの」というより、行動しながら少しずつ形になっていくものです。頭の中だけで「本当にやりたいこと」を探し続けても、答えはなかなか出てきません。今わからないのは、単にまだ材料が足りていないだけ。焦る必要はありません。
やりたいことが見つからない4つの原因
① 「すごいこと」を探そうとしている
やりたいことを「人に誇れる立派な目標」だと考えると、ハードルが上がって何も浮かびません。やりたいことは、もっと小さな「気になる」「もっと知りたい」から始まって構いません。
② 自分の「得意」に気づいていない
やりたいことは、得意なこととつながっています。ところが得意なことは本人には当たり前すぎて見えにくく、結果として「やりたいこともわからない」状態になります。
③ 失敗や他人の目を恐れている
「向いていなかったらどうしよう」「笑われたくない」という不安が、興味の芽を無意識に打ち消していることがあります。やりたいことが「ない」のではなく、見ないようにしているケースです。
④ 試す前に頭で否定している
「どうせ続かない」「自分には無理」と、行動する前に結論を出してしまう。やりたいことは試して初めて確かめられるのに、その入り口で止まってしまうのです。
やりたいことの種は「好き・得意・求められる」の重なりにある
やりたいことを見つける有名な考え方に、3つの円の重なりを探す方法があります。
- 好きなこと:興味がある、時間を忘れる、もっと知りたいと感じること
- 得意なこと:苦もなくできる、人より早い、自然とやってしまうこと(=才能)
- 求められること:人から頼まれる、感謝される、役に立てること
この3つが重なる場所に、長く続けられる「やりたいこと」の種があります。ポイントは、いきなり完璧な重なりを探さないこと。まずは3つをそれぞれ書き出し、近いものを結びつけてみてください。
才能(強み)からやりたいことを逆算する
「好き」がはっきりしない人は、「得意(才能)」を起点に逆算すると進みやすくなります。得意なことは成果が出やすく、成果が出ると楽しくなり、楽しいと「好き」に育っていく——この順番が現実的だからです。
自分の才能の方向性を知る切り口としておすすめなのが、多重知能理論(MI理論)です。人の得意分野を、言語・論理数学・空間・音楽・身体運動・対人・内省・博物の8つで捉える考え方で、自分がどの知能を使うときに力を発揮するかが見えてきます。
たとえば言語の知能が強い人は「伝える・書く」仕事、対人の知能が強い人は「人を支える・つなぐ」役割、論理の知能が強い人は「分析・設計」の分野にやりたいことの種が見つかりやすい、といった具合です。各タイプの特徴は「8つの知能タイプ完全ガイド」、強みそのものの見つけ方は「自分の強みの見つけ方」で詳しく解説しています。
小さく試して見つける
やりたいことは、考えるより試す方が早く見つかります。重なりや才能から「これかも」という仮説が出たら、小さく・低リスクで試すのが鉄則です。
- 気になることの入門書を1冊読む
- 関連する作業を週末に少しだけやってみる
- 詳しい人に話を聞く、体験イベントに参加する
試したあとは「楽しかったか」「またやりたいか」「苦にならなかったか」を振り返ります。続けたいと思えたものが、あなたのやりたいことです。大きく決断する前に、小さく確かめていきましょう。自己理解全体の進め方は「自己分析のやり方|簡単3ステップ」もあわせてどうぞ。